专利摘要:
発明は、ガラスシートの表面を保護する態様でコーティングするためにアクリル樹脂材料の水溶液を用いて輸送及び/または処理中にガラス表面を保護する方法に向けられる。アクリル樹脂保護コーティングは、pH≧9の水溶液を用いてガラス上にコーティング溶液を浸漬塗布、ローラー塗布またはスプレー塗布することで、施される。コーティングは次いでオーブン内で硬化、乾燥またはベークされる。続いて、ガラスシートは罫書きされ、以降の処理、例えば滑らかなエッジを形成するためのエッジ研削加工及びガラスの表面に穴のような開口を形成するためのドリル加工/ミリング加工のための、個々の製品ガラスブランクに分割される。製品ガラスの処理が完了すれば、コーティングを除去するためのpH≧12の水溶液を用いて、保護コーティングを除去することができ、あるいはコーティングを除去することができるエンドユーザに製品ガラスを出荷することができる。
公开号:JP2011516392A
申请号:JP2011503984
申请日:2009-04-07
公开日:2011-05-26
发明作者:エックス オウヤン,マイケル;サビア,ロバート;スン,ヤーウェイ;エイ タマロ,デイヴィッド;グアン パン,イエ;ディー ブラッディー,マイケル;ヤー ワン,チン
申请人:コーニング インコーポレイテッド;
IPC主号:C03C17-32
专利说明:

[0001] 本出願は、米国特許法第119条(e)項の下に、2008年4月10日に出願された、米国仮特許出願第61/123713号の優先権の恩典を主張する。]
技術分野

[0002] 本発明は輸送中及び製品へのさらなる処理中にガラス表面を保護するためにガラス表面に施すことができる保護コーティングに向けられる。]
背景技術

[0003] LCDガラスを含む、ガラスの用途の多くには、実質的に粒子及び有機汚染物がない、極めて清浄なガラス表面が必要である。環境にさらされると、ガラスは急速に有機汚染物で汚染されるようになり、汚染は数分内に見られる。LCDガラスのクリーニングに現在用いられるクリーニングプロセスには数工程が含まれ、様々な化学薬品が必要とされることが多い。したがって、製造、運送及び保管中にガラス表面を周囲汚染物から保護して、清浄ガラス表面を得るために必要な化学薬品を最小限に抑えるか、さらには排除さえする方法が必要とされている。]
[0004] 環境性/有機材料汚染物に加えて、ガラスの表面及びエッジを切断及び研削するために用いられる作業手順では小さなガラスチップ(例えば、1μmより大きく、約100μmより小さい寸法を有するチップ)が発生することが多い。これらの粒子のいくらかは清浄なガラス表面に付着して元には戻らず、ほとんどの用途に対してガラスを役に立たなくする。これはLCDガラス表面の場合に特に重大な問題である。]
[0005] LCDガラスは平坦で滑らかなガラス表面を生じる融合板引きプロセスで作製することができ、切断または研削して所望の寸法にすることができる。切断プロセスで発生するガラスチップのいくらかはガラスの表面から生じる。これらのチップの平坦な表面がガラスプレートの表面に接触すると、チップとガラス表面の間の大きな接触面積が強力な付着を助長する。これらの2つの表面の間に水膜が凝縮するかまたは凝縮していると、永久的な化学結合がおこることができ、そうなるとガラスチップの表面への付着を元に戻せなくなる。これはガラスをLCD用途に対して役に立たなくし得る。]
[0006] ガラスシート、特にLCDガラスシートを保護するための既知の一方法は、罫書き、割取り及び面取りプロセス中にガラスを保護するため、ガラスの両主表面上にポリマーフィルムを貼り付けることである。一般的な方法において、一方の主表面には接着剤でポリマーフィルムが貼り付けられ、他方の主表面には静電気でフィルムが貼り付けられる。第1のフィルムはシートのエッジ仕上げ(切断または研削)の完了後に除去され、第2のフィルムは仕上げプロセスの前に除去される。接着剤裏打ちフィルムはハンドリング手段によるかき傷形成から表面を保護するが、別の問題を引きおこす。例えば、ポリマーフィルムは仕上げプロセス中に生じたガラスチップを捕らえ、ガラスチップをため込んで、ガラス表面、特に表面のエッジ近傍にかき傷をつけることができる。接着剤裏打ちフィルムによる別の問題は、ガラス表面に接着剤が残留し得ることである。したがって、ガラス表面にいかなるコーティングも残留させない、チップ付着からガラス表面を保護する方法、及び、ガラス表面を一時的に保護し、よって、以降の使用のための清浄な無コーティング表面をもつ製品ガラスを容易に得ることができる方法が必要とされている。]
[0007] 一時的にLCDガラスを保護するために用いられるコーティングの除去可能性は別の重要な要件である。液晶ディスプレイの製造業者は、一般にガラス基板上の半導体デバイス、例えば薄膜トランジスタ、の形成を含む、複雑な製造プロセスの出発点としてLCDガラスを用いる。そのようなプロセスに悪影響を与えることのないように、LCDガラスを保護するために用いられるいかなるコーティングもLCD製造プロセスの開始に先立って容易に除去されなければならない。]
[0008] したがって、以下の特徴を有するコーティングを得ることが望ましいであろう:
(1)コーティングは、全ガラス形成プロセスに、新しく形成されたガラスが作製直後に実施的に保護されるように、特に形成プロセスの終わりに容易に導入することができ、環境的に安全であり、従来手法(例えば、スプレー、浸漬、流し塗、メニスカス、等)を用いてガラス表面にかけて塗り広げることが容易であり、耐水性である、コーティングであるべきである;
(2)コーティングは、ガラスシートの切断及び/または研削によって生じるチップ付着から、また使用前の保管及び運送中にガラスが接触し得るその他の汚染物、例えば粒子、の付着からも、ガラスを保護すべきである;
(3)コーティングは切断及び/または研削プロセス中にかなりの量の水を浴びた後も保護を与え続けるに十分に頑強であるべきである;
(4)コーティングは、ガラス表面上に存在する粒子の数を最小限に抑えるため、最終使用の前にガラスから合成洗剤または非合成洗剤によって、実質的にまたは完全に、除去できるべきである;
(5)ガラス表面に施された後のコーティングは、コーティングされたガラスが積み重ねられた後でガラスシートの間の間紙に粘着せず、間紙が用いられない場合には、コーティング同士が粘着しない、すなわちガラスシートをかためない。ビーズ付コーティングの使用は間紙の必要を排除できる点で有益である。]
課題を解決するための手段

[0009] 本明細書に説明される方法は技術上の上記積年の必要を満たす。]
[0010] 一実施形態において、本発明は、製品ガラスを作製するための、ガラスシートを形成する工程、形成後の板引きガラスシートに、アクリル酸コポリマー及び/またはメタクリル酸コポリマーを含むアクリル樹脂材料またはメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれる保護コーティング材料を塗布する、ガラスシートの表面を保護する工程、ガラス上の保護コーティングを硬化させる工程、製品ガラスブランクを形成するためにガラスに罫書きし、罫書きマークに沿ってガラスを割り取る工程、ガラスのエッジを仕上げ、よって製品ガラスを作製する工程、及び製品ガラスから保護コーティングを除去する工程を含む、方法に向けられる。本方法は、製品ガラスの表面から屑またはかき傷を除去するためのラッピング加工、研削加工または研磨加工の工程を含まない。別の実施形態において、保護コーティングはpH≧9の水溶液としてガラスに塗布され、水溶液には、例えば、選ばれたコーティング材料の溶解度、所望のコーティング厚、コーティングが施される温度に依存して1重量%から50重量%までの範囲の調整濃度でコーティング材料が溶かされている。また別の実施形態において、保護コーティング材料はアクリル樹脂材料またはメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれ、pH≧9の水溶液、好ましくはpH≧10の水溶液としてガラスに塗布される。別の実施形態において、乾燥後の保護コーティングは、合成洗剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの、またはこれらの水性混合物を含む、pH≧12の水溶液を、40〜100℃、好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは60〜70℃の範囲の温度で、用いてガラスから除去される。コーティングを除去するために用いられる溶液は水ベースであり、コーティング溶解機構は、コーティング除去工程の時間を長くし、温度を上げることにより、またコーティングが溶解して洗い流されるように新鮮な溶液をガラスに供給する点においてコーティング除去溶液の混合物純度を高めることによっても、加速される。したがって、水性コーティング除去溶液は、pH>12でガラス表面に与えられ得るであろうし、コーティング材料を除去するために用いられる溶液がコーティング材料をほとんどまたは全く含んでいない清浄または新鮮な溶液であれば(すなわち、除去溶液に含まれるコーティング材料の量に関して除去溶液が比較的純粋であれば)除去溶液もpH>12で除去され得るであろう。]
[0011] 本発明はさらに、製品ガラスを作製するための、ガラスシートを形成する工程、形成後の板引きガラスシートに、アクリル酸コポリマー及びメタクリル酸コポリマーを含むアクリル樹脂材料またはメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれる保護コーティング材料を塗布する、ガラスシートの表面を保護する工程、ガラス上の保護コーティングを硬化させる工程、製品ブランクを形成するためにガラスに罫書きし、罫書きマークに沿ってガラスを割り取る工程、ガラスに1つまたは複数の開口をつくるために研削加工工程、ミリング加工工程、ドリル加工工程の内の1つまたは複数を用いて製品ブランクをさらに処理する工程、ガラスのエッジを仕上げ、よって製品ガラスを作製する工程、及び製品ガラスから保護コーティングを除去する工程を含む方法に向けられる。本方法は、製品ガラスの表面から屑またはかき傷を除去するためのラッピング加工、研削加工または研磨加工の工程を含まない。別の実施形態において、保護コーティングはpH≧9の水溶液としてガラスに塗布される。また別の実施形態において、保護コーティング材料はアクリル樹脂材料及びメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれ、pH≧9の水溶液、好ましくはpH≧10の水溶液として塗布される。保護コーティングは、合成洗剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの、またはこれらの水性混合物を含む、pH≧12の水溶液を用いてガラスから除去される。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムまたはこれらの混合物は、アクリル樹脂材料水溶液がガラスに塗布される前であれば、必要に応じて、pHを調整するためにも用いられる。]
[0012] 本発明は、0.3mmより厚く、少なくとも1つの造作を有する、切断/罫書きされ、ラッピング加工されていない、融合板引きガラスでつくられた小寸製品ガラスにも向けられ、造作は、ガラス表面を貫通する開口、カラス表面上のいずれかの形状の空洞及びガラス表面上の「銘刻」からなる群から選ばれる。一実施形態において、ガラス厚は0.3mm〜0.7mmの範囲にある。別の実施形態において、ガラス厚は0.3mm〜0.5mmの範囲にある。]
図面の簡単な説明

[0013] 図1はコーティング浴内のガラスシートの浸漬及びオーブン内でのコーティングされたガラスの乾燥の略図である。
図2はコーティング浴に用いられるアクリル樹脂コーティング材料の粘度対濃度を示すグラフである。
図3はコーティング浴に用いられるアクリル樹脂コーティング材料(アクリル樹脂濃度12%)の粘度対温度を示すグラフである。
図4はガラスシートのローラーコーティングの略図である。
図5はガラスシート上にコーティング材料をスプレーするためのスプレーガンの使用の略図である。
図6は研磨されたガラス表面のニューフィールド(Newfield)像を表す。
図7は、本発明にしたがう、無研磨融合ガラス表面のニューフィールド像を表す。
図8は研磨されたガラス表面についてのAFM結果を表す。
図9は、本発明にしたがう、無研磨融合ガラス表面についてのAFM結果を表す。
図10は10%HF溶液で侵されたときに厚いフィルムが薄いフィルムより緩やかに剥がれることを示す写真である。
図11は、光学顕微鏡を用いて倍率50Xで見られている、表面上に保護コーティングをもつコーティングされた製品ガラスの説明図である。] 図1 図10 図11 図2 図3 図4 図5 図6 図7 図8
[0014] 本発明は融合板引きガラス、特にセル式電話カバー及びタッチスクリーンのようなモバイルまたは非モバイルディスプレイ用途での使用が目的とされるガラスの仕上げ(すなわち、エッジ処理、ドリル加工、ラッピング加工、研磨加工)のための製造コストを低減するための保護コーティングの使用に関する。本明細書に用いられるように、語句「ガラス」は、ディスプレイ用途に用いることができるいずれのガラスも指し、好ましい実施形態においては融合板引きガラス及びスロット板引きガラスを指す。本明細書においては融合板引きガラスが本発明を例示するために用いられる。同じく本明細書に用いられるように、語句「切断」及び「罫書き及び割取り」は、大寸ガラスシートが形成され、鋸または水ジェットの使用によって[切断]、あるいは、工具(例えば、先端にダイアモンドまたはシリコンカーバイドのチップがつけられた工具)で表面にかき傷を入れ、次いで罫書かれたガラスを小寸ガラス材に分割することによって[罫書き及び割取り]、あるいは空気または液体による急冷ショックの有無及び罫書きによる初期きずの有無に関わらないレーザによる加熱によって、小寸のシートまたはガラスブランクにすることを意味する。]
[0015] 従来の、特にモバイルディスプレイのための、ガラスの仕上げは、1日当たり数万個の部品を製造する、高スループット製造プロセスのための厳格な形状寸法要件を満たす必要がある。そのようなスループット要件を満たすため、ガラスシートの初期罫書き/割取りから光透過表面の最終研磨に至る、製造において重大なハンドリング問題があることは明白である。そのようなハンドリングは、また個別のプロセス工程も、最終歩留に大きく影響する、表面のかき傷及びひびを誘起する。例えば、技術上既知の現行の仕上げ手法では15〜20%の範囲の最終製品かき傷損失が生じることがわかっている。]
[0016] 本発明は、処理中にガラス表面を保護する方法を説明し、ハンドリング損傷から表面を保護することによるかなりのコスト節減を提供し、エッジの研削及び穴/スロットのドリル加工/機械加工中に誘起される損傷から表面を保護し、かき傷を誘起しない表面からのガラスチップの除去に関する容易な清浄化を可能にし、大量生産においてコーティングできる能力を有し、無エッジラッピング/研磨後処理に限定される結果を与える。最後の利点の、無エッジラッピング/研磨後処理への限定によって、より薄い入来ガラスの使用(したがって、平方フィート当たりの価格に関するガラスコストの低下)及び費用のかかる処理工程の排除のいずれをも可能にする上で重要である。]
[0017] 本発明は、透明保護カバー及びタッチスクリーンを含むがこれらには限定されないモバイル及び非モバイルディスプレイ用途のための個別部品の製造に用いられる分割及び機械加工プロセス中に融合板引きガラス表面を保護するための、高pH水溶性コーティング材料(例えば、アクリル樹脂及びエチレンアクリル酸コポリマーのようなアクリル酸コポリマー、メタクリル樹脂及びメタクリル酸コポリマー、セルロースコーティング、水溶性ポリエステルコーティング、及び、水ベースの無研磨剤クリーニング方法を用いて除去することができる、技術上既知のその他の水溶性材料)の使用に関する。アクリル樹脂材料が好ましい。材料は中性pHでは水に不溶であるかまたは僅かにしか溶解しないが、pH≧9では少なくとも20重量%まで溶解するべきである。さらに、ガラス表面上で(乾燥、ベーク、赤外線加熱、マイクロ波加熱、等で)材料が硬化した後、材料は本明細書で説明されるようにpH≧12の水性溶液を用いることによって除去可能であるべきである。硬化したコーティングはpH>9〜10の塩基性合成洗剤溶液(または本明細書に説明される様のその他の溶液)を使用しても除去することができるが、そのような溶液はポリマー溶解速度が低く、ポリマーの除去に長時間が必要である。したがって、pH≧12の水性溶液が、好適なポリマー除去速度により、好ましい。除去速度及び除去完全性は、ガラス表面への新鮮な合成洗剤(または別途に示される)溶液の連続供給及び溶解したコーティングの洗流しの点において、リンス溶液純度によっても促進される。]
[0018] 理想的には、コーティング材料の使用は罫書き/割取り前のシート形態のガラスをコーティングすることで始まるであろう。罫書き/割取り工程またはプロセス中、コーティングされた表面は一般にハンドリングによって誘起されるかき傷から保護される。以降のエッジ研削工程及び(施されれば)穴/スロットドリル加工/ミリング加工中は、コーティングが表面を一般に保持チャック及び屑から誘起される損傷から保護する。コーティングの使用によって得られるこれらの実施上の利点の結果、以降のラッピング加工及び研磨加工の工程が、排除はされないとしても、軽減され得る。さらに、表面コーティングは、多数のガラス材のエッジが同時に研削及び/または研磨される低コストエッジ研削/研磨加工作業に用いられるような積み重ね中に、部品表面を保護するために用いられる。]
[0019] 個々のディスプレイガラス及び/またはカバーガラスを作製するための処理の前にガラス上に保護ポリマー」コーティングを用いる結果、かなりのコスト節減が、
(1)表面かき傷及びチェックによる歩留損の低減、
(2)ラッピング加工及び研磨加工のようなプロセス工程の排除、及び
(3)より薄い入来はラスの使用、したがって平方フィート当たりのコスト低下、
によって実現される。]
[0020] 保護コーティングは、例えば、浸漬塗布、スプレー塗布またはスピン塗布を用いて、大寸シートまたは個々の部品のいずれにもバルク態様で施すことができる。コーティングは、やはりバルク態様で、容易な除去のために高pH水に溶解し得る。コーティング、コーティングプロセス、除去プロセス及び廃物は無毒であり、環境に優しい。コーティング厚は意図される以降の処理に望ましいいかなる厚さにもすることができ、コーティングは単工程または複数工程で施すことができる。ほとんどの用途に対し、コーティング厚は1〜10μmの範囲にある。製品ガラスまたはガラスシートが購入者に出荷されるはずの場合は、運送中のガラスの保護及び緩衝に用いるため、より厚い、5〜20μmのコーティングを施すことができる。一般に、より厚いコーティングが施されるべきである場合、ガラスの表面にわたるより一様なコーティングを確保するため、2つないしさらに多くのコーティング工程(例えば、浸漬塗布工程、ローラー塗布工程またはスプレー塗布工程)を用いることが好ましい。]
[0021] 図1は、後に所望の大きさに切り分けられるであろう大寸シートまたは既に所望の大きさに切り分けられているシートのいずれともすることができる、ガラスシート10にコーティングを施すための浸漬プロセスを示す。シートは上縁に沿って保持され、保護コーティング溶液が入っている浴12内に浸漬される。コーティング後、シートはトンネルオーブン14内に移されて、25〜200℃の範囲、好ましくは50〜160℃の範囲の温度で、10〜30分間の範囲、好ましくは10〜20分間の範囲の時間をかけて乾燥されて、保護コーティング16をもつガラスシートがつくられる。] 図1
[0022] 図4は、ガラスシート20がボトムオブザドロー(BOD)21から現れるにつれて、ガラスシート20に(回転してコーティング浴24に連続的に出入りする)ローラー22を用いてコーティングを施すためのプロセスを示す。コーティングが施された後、シートは、ガラス上のコーティングを乾燥させる、オーブン26を通過させられる。ガラスシートは次いで罫書きされて、製品ガラスが用いられることになる用途、例えば、電話、ATM機、個人用音楽プレイヤーまたはその他のデバイスのためのディスプレイ及び/またはタッチスクリーンに望ましい大きさの製品ガラスに分割される(参照数字28として示される)。個々の製品ガラスは次いで、最終の完成製品を提供するために、以降の工程で処理される。そのような以降の工程には、ガラスにいずれか所望の開口をつくるための研削加工、ミリング加工及びドリル加工及び/またはガラスのエッジの仕上げ加工がある。] 図4
[0023] 図5は、(BOD21から現れてくる)ガラスシート20にスプレーガン23を用いてコーティング溶液からコーティングを施すためのプロセスを示す。ガラスにコーティングが施された後、ガラスはオーブン26内で乾燥されてから、罫書きされて、製品ガラスが用いられることになる用途、例えば、電話、ATM機、個人用音楽プレイヤーまたはその他のデバイスのためのディスプレイ及び/またはタッチスクリーンに望ましい大きさの製品ガラスに分割される(参照数字28として示される)。個々の製品ガラスは次いで、最終の完成製品を提供するために、以降の工程で処理される。そのような以降の工程には、ガラスにいずれか所望の開口をつくるための研削加工、ミリング加工及びドリル加工及び/またはガラスのエッジの仕上げ加工がある。] 図5
[0024] 製品ガラスはスピンコーティング法を用いてコーティングすることもできる。スピンコーティングプロセスでは、製品ガラスを回転台の上の所定の位置に保持し、コーティング溶液を製品ガラスの中心に滴下し、製品ガラスを回転(スピン)させてコーティング溶液を中心からエッジに向けて移動させ、よって製品ガラスにコーティングを施す。製品ガラスをスピンさせている間に追加のコーティング溶液を滴下することができる。製品ガラスがコーティングされると、製品ガラスはオーブン内で乾燥させるか、または回転テーブル上にある間に、例えば(熱風ブロワーまたはヒートガンからのような)熱あるいは赤外光またはマイクロ波輻射の使用によって、乾燥させることができる。乾燥後のガラス上のポリマー層厚が十分ではなければ、第2のコーティング工程で製品ガラスを再コーティングすることができる。スピンコーティングは円形または長円形の製品ガラスまたはガラスシートに特に適しており、浸漬プロセス及びスプレープロセスは、偏長円形、長方形、正方形、六角形、三角形またはその他の多辺形のような、様々な形状のガラスに一層適している。]
[0025] 図2は本発明の実施に用いた代表的な水溶性アクリル樹脂コーティングについて粘度対濃度を示すグラフである。アクリルポリマーの濃度は3〜25%の範囲にあり、得られた溶液の粘度は4〜300ポアズ(0.4〜30Pa秒)の範囲にある。粘度は用いられている正確なポリマー材にしたがって変わり得る。高粘度を有する材料を用いることもできるが、3〜25%の範囲の濃度において500ポアズ(50Pa秒)より低い粘度を有する材料が好ましい。図3は水中12重量%の濃度のアクリルポリマーについで粘度対温度を示すグラフである。図3における温度範囲は15〜40℃である。図3に示されるデータ点(黒丸)に対し、粘度は7.4〜6.0の範囲にあり、温度が高くなるにつれて粘度は低下する。付されているデータはそれぞれの点に対する温度及び粘度を示す。例えば、「19.0,7.4」は、温度は19.0℃で粘度が7.4ポアズ(0.74Pa秒)であったことを意味する。] 図2 図3
[0026] 下の表1及び2は、単層または二層のコーティング厚が浸漬コーティング法を用いてガラスに施された後の硬化(オーブン乾燥)ポリマー層の厚さを与える。3%,6%,9%及び12%のアクリル樹脂材料濃度を用い、厚さはμm単位で決定した。]
[0027] 従来のガラス製造プロセスでは、ガラス表面をかき傷から保護するために相当に慎重であることが必要であり、重要な下流の処理中に(すなわち、ガラスシート形成後の工程において−例えば、研削加工、ミリング加工、ドリル加工、等の間に)チェックを行う必要がある。ガラス上に屑が存在すると、下流の処理中の押込みまたは滑り接触によるかき傷形成を防止するために屑を除去しなければならない。屑を除去しないかまたは除去できないと、最終検査において部品はおそらく、あるいはほぼ確実に、不合格になるであろう。逆に、保護ラミネートまたはカバーフィルムは粒子/屑汚染及び表面に対する摩擦/摩耗/引掻き/押込みによって規定される下流の損傷から表面を保護することができる。このタイプの保護に対し、フィルムは処理中に表面を満足に保護しなければならず、処理の完了後に除去できなければならない。したがって、接着強度が、他の特性(例えば、全く無残渣の除去の容易性)とともに、肝要である。]
[0028] ラミネートとして施される接着フィルムは度合いが可変の接着強度及び研削加工/ドリル加工/ミリング加工を含む機械加工中の性能を提供するが、ドリルで穴を開けるかまたはエッジを研削/ミリングすることが必要な場合のように、ラミネートフィルムは加工部において剥ぎ取られるかまたは除去され得るため、完全には満足されないことがわかっている。市販のラミネート材料には、例えば大寸シートのエッジ処理に、有用であることがわかっている材料もあるが、そのような材料の有用性は限られていることがわかっている。例えば、市販ラミネート材料の1つ(材料1)は、エッジ処理中にある程度の許容できる表面からの剥がれを示し、最終製品が顧客に出荷されたときに顧客によって容易に除去される、限定された接着特性を提供する。第2の市販ラミネート材料(材料2)はかなりの接着性能を提供し、エッジ処理に許容できるが、望ましくない程度に顧客による除去が困難である。しかし、いずれのラミネートも最終パーツ表面を貫通する穴またはスロットの機械加工に十分な性能はもっていない。例えば、接着性能が低いことから、材料1は工具ビットが貫入したときに剥離し、ラミネート材料の屑がビットにまとわりついて、ビットの有効性を減じる。本発明は、機械加工中にガラス表面を保護するための製造方法を提供し、ハンドリング、例えばガラス同士の接触による、かき傷を排除し、一般にガラスと直接に接触する保持具による損傷も排除する。]
[0029] 本発明の方法の使用により、以下の結果としてかなりのコスト節減も得られる:
(1)ハンドリング及びプロセスによって誘起される表面かき傷からの保護、すなわち、かき傷による歩留損失の低減。この損失は15〜20%の範囲にあり得る;
(2)本発明のコーティングが用いられた場合は、コーティングによって与えられる有益な表面保護により、エッジ研削、ドリル穴開け及びスロットミリング後の表面損傷除去に不必要であることがわかっている、ラッピング加工または研磨加工のようなプロセス工程の排除;及び
(3)減じられた入来ガラス厚、すなわちより薄いガラスの使用が可能になり、したがって、ラッピング/研磨に対する必要を排除し、そのようなプロセス工程を必要とし得る過剰なガラス厚の除去を排除することによるガラスコストの低減。]
[0030] コーティング材料要件は水溶性アクリル樹脂またはメタクリル樹脂コーティング材料に対する要件であり、アクリル樹脂またはメタクリル樹脂はpH≧9において熔解し、200℃より低く、好ましくは160℃より低い温度で熱硬化して、1〜15μm、好ましくは2〜10μmの範囲の厚さを有する硬質保護層を形成することができる。さらに、コーティング材料は、油、中性pH(すなわちpH〜7)の水、及びほぼpH9までのpHを有する弱アルカリ性合成洗剤水溶液に溶解すべきではない。さらに、ポリマーフィルムは、乾燥後、pH≧10の水性溶液を用いて除去できるべきである。適するアクリル樹脂材料の、限定ではなく、一例は、浸漬塗布、スプレー塗布またはスピン塗布によってガラス表面に施すことができ、廃化学薬品流がない、すなわち、コーティング材料及び全ての塗布/除去溶剤を下水施設によって廃棄することができる、(米国オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))のMichelman, Inc.からの製品コードMP-4983Rである。]
[0031] 本発明は、
(1)コーティング材料、
(2)ボトムオブドロー(BOD)におけるオフラインまたはオンラインでのガラス表面上のアクリル樹脂材料の塗布及び除去のためのプロセス、及び
(3)保護コーティングの施行
の3つ全体要素を有する。]
[0032] コーティング材料:
保護コーティングに利用できる材料は広範である。最も一般的な材料は:
A.アクリル樹脂及びアクリル酸コポリマー材料。例えば、上述したMichelman MP4983R-PL材料。この安価な材料は3〜25%の濃度において浸漬することによってガラスに塗布することができ、次いで25〜250℃の範囲の温度で熱硬化させることができる。コーティングは、40〜100℃、好ましくは50〜80℃で、高pH溶剤、例えば、セミクリーン(商標)、及び(米国ペンシルベニア州ブリンマー(Bryn Mawr)のDecon Labs, Inc.から入手できる)Conrad 70(商標)合成洗剤により、容易に除去される。温度はコーティングの除去に用いられる材料に依存するであろう;
B.液様粘度を有する溶剤ベース高フッ素化機能性ペルフルオロポリエーテル(PFPE)。これらの材料は、硬化させて、テフロン(登録商標)のようなフルオロポリマーの顕著な耐化学薬品性を示す、丈夫で高耐久性のエラストマーにすることができる。これらの材料は様々な有機溶剤、例えばアセトン及びメチルエチルケトンによって除去することができる;
C.市販の塗料。ほとんどの塗料は25〜100℃で熱硬化させることができる。硬化した塗料は有機溶剤(例えばアセトン)によって除去することができ、あるいはコーティングを沸騰水で膨潤させれば容易に剥ぎ取ることができる。]
[0033] ガラス仕上げ保護のため、コーティングは、ホイール研削及びCNC加工プロセス工程の間、工具ビットを冷却し、部品/工具界面から屑を除去するために用いられる水ジェットの圧力に耐えるために、優れた接着力を有していなければならない。コーティングは仕上げ工具の詰まりを防止するに十分に脆くもあるべきである。アクリル樹脂、エチレンアクリル酸コポリマー及びメタクリル樹脂はそのような材料であり、これらの材料については、コーティングの弾性率が硬化温度を上げるとともに高くなる。さらに、アクリル樹脂/エチレンアクリル酸コポリマーコーティングは以下のプロセスシーケンス:
1.ガラスの罫書き及び罫書きされた大きさへのガラスの割取り;
2.穴及び/またはスロットを含む複雑の形状を形成するためのCNC加工、
3.エッジ及び穴の研磨のための複数の製品ガラスまたはシートの積重ね;
の後に残っており、無傷のままであることがわかった。]
[0034] 製品ガラスまたはシートが上記のプロセスを通過した後、製品ガラスまたはシートをセミクリーン合成洗剤の5%脱イオン水溶液に70℃で10分間浸漬することでアクリル樹脂コーティングを除去した。ガラス表面にかき傷は見られず、表面は、いかなる屑またはその他の材料もなく、クリーンであった。]
[0035] アクリル樹脂材料のボトムオフドロー(BOD)におけるオフラインまたはオンラインでのガラス表面上の塗布/除去のためのプロセス:
アクリル樹脂コーティングの施行にはコーティング溶液塗布工程及び塗布後ベーキングまたは乾燥工程が必要である。ボトムオブザドローにおけるガラスシートへのアクリル樹脂コーティング溶液の塗布に適するいくつかの方法がある。これらは、浸漬コーティング、ローラーコーティング及びスプレーコーティングであり、全て、BODにおけるアクリル樹脂コーティング溶液塗布後の乾燥/ベーキング工程をともなう。]
[0036] 浸漬+ベーキング
(1)切断された大きさのガラスが保護コーティング溶液で満たされた溶液浴を通過する。コーティングされたガラスは次いでベーキングのためにトンネルオーブンを通過する。図1を見よ。] 図1
[0037] (2)コーティング厚は溶液粘度及びガラス引張速度によって制御される。オーブンベーキング温度及び時間がコーティングの硬度及び接着力を決定する。代表的なアクリル樹脂溶液浸漬パラメータが図2と表1及び表2に示される。] 図2
[0038] (3)ガラス上のコーティングの接着力はコーティングプロセスに敏感である。アクリル樹脂コーティングが水ジェットの下でガラス仕上げ処理でどれだけ残るであろうかを決定するために、ガラスを10%HF水溶液に浸漬することで接着力を試験した。試料を3%、6%、9%及び12%の水溶液でコーティングし、160℃で12分間ベークし、次いで10%HFで30秒間処理した。ポリマーコーティングは10%HFの侵蝕に耐えられないが、ポリマーフィルムが侵蝕され、ガラスから剥がれる速度はポリマーコーティング厚が大きくなるにつれて低下した。]
[0039] ローラーコーティング
(1)ローラーを用いるコーティングはガラス表面を保護するための別の方法である。]
[0040] (2)保護コーティングされたガラスは次いで所望の個片/製品寸法に切り分けられ、出荷及び/または、研削加工、ミリング加工及び/または穴/スロットのドリル加工を受けるような以降の処理に対する準備ができている。]
[0041] (3)ローラーコーティングの説明のための図4を見よ。] 図4
[0042] スプレー+乾燥
(1)連続ガラスシート製造ラインのBODにおいて、保護コーティング溶液をスプレーし、ポストベークをかけることにより、ガラスシートの作製直後に保護が与えられる。]
[0043] (2)保護コーティングされたガラスは次いで所望の個片/製品寸法に切り分けられ、出荷及び/または、研削加工、ミリング加工及び/または穴/スロットのドリル加工を受けるような以降の処理に対する準備ができている。]
[0044] (3)スプレーコーティングの説明のための図5を見よ。] 図5
[0045] ガラス加工のための保護コーティング
上記の保護コーティングを用いて、所望の大きさの製品ガラスの形成後に、製品ガラスをCNC(コンピュータ数値制御)整形、精密研削、エッジ面取り、面取りされた穴及びスロットのドリル加工によって仕上げた。表面上に保護コーティングをもつコーティングされた製品ガラスを、図11に示されるように、光学顕微鏡を用いて倍率50Xで見た。図10はコーティングが上記プロセス工程を生き延びたことを示す。図10において、参照数字110はガラスの外側から捕捉された空白領域を表し、領域120は保護されたガラス領域を表す(保護ガラスコーティングはカラー写真では見えるが、グレイスケールまたは白黒写真では見えない)。製品ガラスのエッジ周辺に(CNC加工による)非常に小さな無被覆ガラス領域も見える。110と120の間に、機械加工中に保護コーティングがガラスをどのように保護したかを見ることができる。カラー写真では、青色がコーティングフィルムであり、青いフィルムの外側の輝いている端がガラスエッジの像である。ガラスエッジの外側の像は垂直側から徐々に焦点が合わなくなっていく。コーティングの上端の「円形」スポットは、CNC加工中に生じた冷却液滴(冷却液はガラスの加熱を防止するために用いられている)であり、保護コーティングまたは保護コーティングプロセスに無関係である。製品ガラスの処理が完了すると、例えば、セミクリーン合成洗剤の5%水溶液(pH>12)を用い、70℃,10分間で、コーティングを除去した。ガラスの初期融合表面が十分に維持され、かき傷は無かった。] 図10 図11
[0046] 材料及び塗布/除去方法
材料: Michelman, Inc.からのMP-4983R;
塗布方法: 水中6〜9%のアクリル樹脂材料溶液内の浸漬コーティング;
コーティング厚: 2μm;
第2コーティング:望ましければ、コーティング厚をさらに大きくするため浸漬コーティングを反復する;
熱硬化: 無剥離機械加工性を高めるため160℃で硬化;
除去方法: 4%セミクリーンKG合成洗剤,pH>12,71℃で15分間;
または
規定(1N)KOH(pH=12)溶液,71℃で15分間。]
[0047] 本発明は以下の恩恵を提供し、これらの全てはコスト節減、したがって低コスト製造に換言される。]
[0048] ハンドリング及びプロセスで誘起される表面かき傷及び損傷からの保護
(1)コーティングは、罫書き/割取り/保管中のガラス同士の接触によるハンドリング損傷からに保護を提供し、研削加工/ドリル加工/ミリング加工プロセス中の保護も提供する。特に、コーティングは屑及び処理中にガラスに接触する保持具によるガラスへの損傷を防止する;
(2)この結果、プロセス歩留損失が最小限に抑えられ、最終仕上げ中の現行の選別品の(研削加工/ドリル加工/ミリング加工後に選別される個片または製品の)損失の内の15〜20%を救済する。]
[0049] プロセス工程の排除
(1)かき傷及び損傷からガラス表面を保護することにより、ラッピング工程及び研磨工程を、完全には排除できないとしても、最小限に抑えることができる;
(2)多くはなく、浅い損傷では、(必要であれば)研磨のための準備で表面からラッピングして落とすために(もしあれば)必要な材料が少なくなる;
(3)これらのラッピング/研磨工程の最小化/排除により、装置及び施設の投資に関して、またこれらのプロセスによる歩留損失(例えば、ラッピング/研磨中の部品破損)に関しても、かなりのコスト節減を実現できる。]
[0050] 入来ガラス厚低減
(1)ラッピング加工及び研磨加工の排除/最小化により、より薄い入来ガラス厚を利用できる。これらのプロセス中にガラスが製品ガラスから除去される。より薄いガラスを使用できる能力により、ラッピング/研磨工程のコストの排除に加えて、使用されるガラス量が少ないから、製品のコストが下がる;
(2)板引きに調整送出速度を有する融合プロセスによる薄いガラスから始めることにより、板引きガラスの高引張速度及び高スループットを可能にする点において薄いガラスは安くなることを意味するから、かなりのコスト節減を実現することができる。]
[0051] 製造容易性
ここでは(AFMによれば、一般に〜0.5nmRMS粗さ及び深さ>2.0nmの高空間周波数のかき傷及び突き傷を示す研磨ガラスに対して、〜0.2nmRMS粗さ及び深さ0.5nm未満の高空間周波数のかき傷及び突き傷を示す)融合ガラスの高い表面品質を製品に利用することができる。]
[0052] 本発明は、0.3mmより厚い、切断/罫書きされた無ラッピング処理融合板引きガラスでつくられ、少なくとも1つの造作を有する、小寸製品ガラスにも向けられる。造作は、ガラス表面を貫通する開口、ガラス表面上のいずれかの形状の空洞及びガラス表面上の「銘刻」からなる群から選ばれる。ガラス厚は一般に0.3〜0.7mmの範囲にあり、好ましくは0.3〜0.5mmの範囲にある。「銘刻」は、ガラス表面上に刻印されるが、ガラスを通り抜けて穴またはスロットのようなガラスを貫通する開口を形成することはない、スクリプト体、ブロック体またはその他の書体の文字だけでなく、記号、ロゴ及びその他のアイテムも意味する。空洞は、ガラスを貫通して開口を形成することはなく、例えば人の指からの熱または圧力を検知するための、熱センサまたは圧力センサのような物品を収めるために例えば用いることができる、ガラス表面の窪みを意味する。製品ガラスは≦0.4nmのAFM表面粗さを有し、深さが0.5nm未満の高空間周波数のかき傷及び突き傷を含む。好ましい実施形態において、AFM表面粗さは≦0.2nmである。製品ガラスは数多くのデバイス、例えば、個人用音楽プレイヤー、電子書籍リーダー、PDA、小型のラップトップまたはノートブックコンピュータ、セル式電話、GPSデバイス及びその他の電子デバイスに用いることができる。]
[0053] 図6及び7はそれぞれ、研磨ガラス表面及び本発明にしたがう無研磨融合ガラス表面のニューフィールド(Newfield)像(走査寸法120×180μm)を表す。図8及び9はそれぞれ、研磨ガラス表面及び本発明にしたがう無研磨融合ガラス表面についてのAFM(原子間力顕微鏡)結果である。表3にニューフィールド像及びAFM像からの結果を要約してある。] 図6 図8
実施例

[0054] 本明細書に説明される材料、方法及び製品には様々な改変及び変形がなされ得る。本明細書に説明される材料、方法及び製品のその他の態様は、本明細書の考察及び本明細書に開示される材料、方法及び製品の実施から明らかになるであろう。本明細書及び実施例は例示と見なされるべきであるとされる。]
[0055] 10,20ガラスシート
12,24コーティング浴
14,26オーブン
16保護コーティング
21ボトムオブザドロー(BOD)
22ローラー
23 スプレーガン]
权利要求:

請求項1
製品ガラスを作製する方法において、ガラスシートを形成する工程、形成後の前記ガラスシートに保護コーティング材料を塗布する、前記形成されたガラスシートの表面を保護する工程であって、前記コーティング材料は前記ガラスシートにpH≧9の水溶液として塗布されるアクリル樹脂材料及びメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれる工程、前記ガラスシート上の前記保護コーティングを硬化させる工程、製品ブランクを形成するために前記ガラスシートを罫書く工程及び前記罫書きマークに沿って前記ガラスシートを割り取る工程、前記ガラスシートのエッジを仕上げ、よって製品ガラスを作製する工程、及び前記製品ガラスから前記硬化した保護コーティングを除去する工程、を含み、前記方法が、前記製品ガラスの表面から屑またはかき傷を除去するための、ラッピング工程、研削工程または研磨工程を含まない、ことを特徴とする方法。
請求項2
前記保護コーティングがアクリル樹脂材料またはメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれ、pH≧10の水溶液として前記ガラスシートに塗布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項3
前記保護コーティングが、合成洗剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの、pH≧12の水溶液を用いて前記製品ガラスから除去されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項4
製品ガラスを作製する方法において、0.3〜0.7mmの範囲の厚さを有するガラスシートを形成する工程、形成後の前記ガラスシートに保護コーティング材料を塗布することによって前記形成されたガラスシートの表面を保護する工程であって、前記コーティング材料は前記ガラスシートにpH≧9の水溶液として塗布されるアクリル樹脂材料またはメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれる工程、前記ガラスシート上の前記保護コーティングを硬化させる工程、製品ブランクを形成するために前記ガラスシートを罫書く工程及び前記罫書きマークに沿って前記ガラスシートを割り取る工程、前記製品ブランクに1つまたは複数の開口を形成するために、研削工程、ミリング工程及びドリル工程の内の1つまたは複数を用いて前記製品ブランクをさらに処理する工程、前記製品ブランクのエッジを仕上げ、よって製品ガラスを作製する工程、及び前記製品ガラスから前記硬化した保護コーティングを除去する工程、を含み、前記方法が、前記製品ガラスの表面から屑またはかき傷を除去するための、ラッピング工程、研削工程または研磨工程を含まない、ことを特徴とする方法。
請求項5
前記保護コーティングがアクリル樹脂材料、アクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー及びメタクリル樹脂材料からなる群から選ばれ、pH10〜12の水溶液として前記ガラスシートに塗布されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
請求項6
前記保護コーティングが、合成洗剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの、pH≧12の水溶液を用いて前記製品ガラスから除去されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
請求項7
小寸製品ガラスにおいて、前記製品ガラスが0.3〜0.5mmの範囲の厚さを有する、切断/罫書きされ、ラッピング処理はされていない融合板引きガラスでつくられており、少なくとも1つの造作を有し、前記造作が、前記製品ガラスの表面を貫通する開口、前記製品ガラスの表面上のいずれかの形状の空洞及び前記製品ガラスの表面上の「銘刻」からなる群から選ばれていることを特徴とする製品ガラス。
請求項8
前記製品ガラスが≦0.4nmの表面粗さを有し、深さが0.5nm未満の高空間周波数のかき傷または突き傷を含むことを特徴とする請求項7に記載の製品ガラス。
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